簿記3級⑨決算整理仕訳1/3 『未収収益、未払費用、前受収益、前払費用、当座借越、現金過不足、当座借越、貯蔵品』

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こんにちはプログレです。

本日は、「簿記3級独学応援っ!⑨決算整理仕訳1/3 【基礎18回+じっくり復習6回】『未収収益、 未払費用、前受収益、前払費用、当座借越、現金過不足、当座借越、貯蔵品』」をまとめました。

簿記3級独学の第9回目です。
良かったら皆様の一緒に簿記勉強しませんか?

筆者は製薬業界12年以上勤務をしており、今は管理職に就いています。
小さな会社なので、守備範囲も広く、毎日新しいことにチャレンジしてながら、フルタイムで働き2歳と4歳の子育てをしています。

勉強した動画

現金過不足の処理

例題1. 2/28、A社(決算は毎年3/31)において、金庫内の現金を数えたところ、1万円札が1枚と、5千円さつが2枚のみであった。一方、この時点の帳簿上の「現金」勘定の残高は20,300円であった。この差額の原因は不明である。

(借)現金過不足 300 (貸)現金 300
実質を「正」とする

例題2. 3/2、上記差額は先日300円切手を1枚現金で購入した際に、仕分けをしなかったことが原因であると判明した。

(借)通信費 300 (貸)現金過不足 300

例題3. 問題2のように原因がわからず、決算をむかえた。

(借)雑損 300 (貸)現金過不足 300

※問題1の「現金過不足」をそのまま残しておけないので、別の勘定科目に変える。それが「雑益・雑損

例題4. 決算になりA社(決算日は毎年3/31)においても不明のままであった。(問題3は期中で発覚。問題4は決算で発覚)

(借)雑損 300 (貸)現金 300

練習問題1-1. 3/30、現金実際残高は10万円、帳簿上の「現金」勘定の残高は9万円である。

(借)現金 10,000 (貸)現金過不足 10,000

練習問題1-2. 決算になった。上記差額の原因は不明である。

(借)現金過不足 10,000 (貸)雑益 10,000

練習問題2. 決算になった。現金実際残高は10万円、帳簿上の「現金」勘定の残高は9万円であった。

(借)現金 10,000 (貸)雑益 10,000

当座預金のマイナス残高の負債振替

例題1. 3/20、買掛金50万円の支払いのために、小切手に50万円と記載して振り出した。この時、当座預金残高は20万円しかなかったが、予め銀行と当座借越契約(限度額1億円)と締結している。

(借)買掛金 500,000 (貸)当座預金 500,000
※期中は当座預金を気にしなくてOK。預金がマイナス30万円である=30万借金している

例題2. このまま決算になった。

(借)当座預金 300,000 (貸)当座借越 300,000

※勘定科目「当座借越」を使わない時は▶︎「借入金」でもOK

費用処理した項目の貯蔵品への振替

買ったもの 勘定科目 この勘定科目にした背景
鉛筆など事務用消耗品 消耗品費 ・資産として価値▶︎ほぼない
・安い
・すぐ使ってなくなる
切手の購入 通信費 資産性あり(換金価値あり)
収入印紙の購入 租税公課 資産性あり(換金価値あり)

例題1. 2/22、現金で100円切手を300枚購入した。

(借)通信費 30,000 (貸)現金 30,000

例題2. 決算になった。期末日(3/31)時点で上記切手のうち未使用で残っているのは100枚である。

(借)貯蔵品 10,000 (貸)通信費 10,000

例題3. 翌期首(4/1)、再振分仕分を行う。

(借)通信費 10,000 (貸)貯蔵品 10,000

※再振分仕分は逆仕分をすればOK

収益・費用の前払い・前受けと未収・未払計上

!!!ここ重要です!!!

例題1. x2年 3/1、この先1年分の火災保険料12万円を現金で支払った。

(借)支払保険料 120,000 (貸)現金 0,000

当期は12万円も費用を計上するの?期末時点では11カ月分が前払いじゃない?

鋭いです。おっしゃる通りです!!

例題2. 決算になった。

(借)前払保険料 110,000 (貸)支払保険料 110,000

↑これが決算仕分。前払保険料は資産

こんなケース4パターン

前払のケース 後払(未払)のケース
費用のケース(テナント側) ①前払費用:資産 ③未払費用:負債
収益ケース(大家さん側) ②前受収益:負債 ④未収収益:資産

家賃の場合

①テナント側の前払費用:既に代金は支払った。しかしその恩恵(用役)をまだ受けていない状態。(=資産)

家賃で例えると、来月(以降)の家賃を前払している状態のテナント側。既に来月(以降)の家賃を払っているので、そこに来月(以降)住むことができる権利がある

簿記の考え
「経費は支払った時に借方(左)」と仕訳。だから、決算で修正(調整する必要がある)
期中
(借)支払家賃 120,000 (貸)当座預金 120,000
決算
(借)前払家賃 110,000 (貸)支払家賃 110,000

※前払費用:資産 決算で来期分に値する支払家賃を除く

②大家さん側の前受収益:既に代金は受け取った。しかしその恩恵(用役)をまだ与えていない状態:負債

家賃で例えると、来月(以降)の家賃を前もって受け取っている状態の大家さん側。既に来月(以降)の家賃を受け取っているので、テナントに来月(以降)物件を提供する義務がある

簿記の考え
「家賃収益は支払いを受けたときに貸方(右)」と仕訳。だから、決算で修正(調整する必要がある)
期中
(借)当座預金 120,000 (貸)受取家賃 120,000
決算
(借)受取家賃 110,000 (貸)前受家賃 110,000

※前受家賃:負債

③テナント側の未払費用:まだ代金は支払っていない。しかしその恩恵(用役)を既に受け取った状態:負債

家賃で例えると、今月(以前)の家賃を支払っていない(後払)としている状態のテナント側。既に物件を提供してもらっているが、まだ今月(以前)の家賃を支払っていないのでその分支払う義務がある

簿記の考え
「経費は支払った時に借方(左)」と仕訳するので、支払なし=仕分けなし。決算で修正(調整する必要がある)
期中

仕分なし(払っていないから)

決算
(借)支払家賃 10,000 (貸)未払家賃 10,000

④大家さん側の未収収益:まだ代金が支払われていない。しかしその恩恵(用役)を既に提供済の状態:資産

家賃で例えると、今月(以前)の家賃を支払っていない(後払)状態の大家さん側。既に物件を提供しているが、まだ今月(以前)の家賃を受け取っていないので、その分受け取る権利がある

簿記の考え
「家賃収益は受け取った時に貸方(右)」と仕訳するので、受取なし=仕分けなし。決算で修正(調整する必要がある)
期中

仕分なし(受け取っていないから)

決算
(借)未収家賃 10,000 (貸)受取家賃 10,000

練習問題. x2年 2/1、A社はB社に事務所を貸すことにした。賃貸にあたりB社は家賃を5カ月分前払いした(B社の当座預金からA社の当座預金へ支払われた)。なお1カ月分の家賃は10万円である。B社側の仕訳を行うこと。

問題1. x2年 2/1の仕訳

(借)支払家賃 500,000 (貸)当座預金 500,000

問題2. 決算になった(決算日x2年 3/31)。必要な仕訳を整理仕分けを行う

(借)前払家賃 300,000 (貸)支払家賃 300,000

ボーナス解説(な〜んか腑に落ちないって方へ)

そもそも現代のの簿記、会計では、現金預金の入出金をもって「収益・費用」を計上するわけではない。
入金 ≠ 収益
出金 ≠ 費用

例「商品の売上」は、例え掛け取引でも収益(売上)を計上する

(借)売掛金 (貸)売上

権利・義務の確定したタイミングなどで、費用・収益を計上する(※正確な表現じゃない▶︎詳細は簿記2級以降で)

権利・義務の確定したタイミングなどで、費用・収益を計上しているかそれぞれ見てみよう!

・商品売買は?    Yes
・固定資産の売買は?    Yes
・その他の収益(受取利息、受取家賃など)は?    No
・経費の支払(水道光熱費、支払家賃、給料など)は?    No

期中に現金主義で仕訳しているもの▶︎決算で、発生主義の仕訳に変更

家賃など収益や、経費の支払は、期中は入出金を持って仕訳しちゃう
➡︎これが「4パターンの決済整理仕訳」が必要になる原因

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