こんにちはプログレです。
本日は「紳士協定」について分かりやすく説明します。
筆者は、製薬業界で12年以上働いており今では製薬会社の管理職についています。
紳士協定とは?
製薬協加盟会社間の自主申し合わせとして制定。
比較試験に使用される対照薬の提供及び譲受が円滑に実施されることを目的。
製薬協に加盟していなくても、紳士協定により情報を事前に提供することは可能。
他社薬に対して適応外使用のためCTNを提出する場合
例えば、製薬協に加盟していなくても、薬の調達元が日本の場合、お手紙を書くことができます。
・弊社にてこのような治験を実施します。
・御社の薬〇〇を弊社治験のこんな用途で仕様する予定です。添付文書から見ると適応外仕様なので、治験届けを出しました。
・弊社ではこのような副作用情報を集めて、御社にも情報提供します
製薬協のこのスライドは分かりやすいので是非読んでみてにゃ〜
治験中に使用される適応外対照薬・併用薬等の取扱いまとめー念書対応を中心にー
企業の対応としていくつかパターンがあります
パターン | 他社薬CTNの背景 | 安全性報告 |
パターン1 | 既に薬の特徴や投与方法・量(プロファイル)が分かっていて、用法用量が一緒、選考の類似試験があるか進行中 | 自社で報告しない |
パターン2 | 用量用法が異なる | 自社で新規に承認を得ることになるので自社で全ての報告を行う |
パターン3 | PMDAに事前相談 | 事前に照会事項 |
比較試験に使用される対照薬の提供及び譲受が円滑に実施とは
治験のPhase3試験(特に癌製剤)でよくあるのですが、
既に承認され市販されている医薬品(対照薬) VS 申請しようとする新医薬品を直接比較。
▶︎新医薬品の有効性・安全性を評価する「比較試験」は、臨床試験データの大変重要な要素
▶︎既存薬と同じ薬の効果でも、副作用が少なければ市販できます。(癌製剤)
この「比較試験」を実施するためには、対照薬を製造販売元から入手する必要があります。
そのため対照薬の提供及び譲受に関する申し合わせ(紳士協定)に従い、該当する文書で事前にお知らせするのです。
お知らせすることで、対照薬の提供が円滑に進めることができます。
その他の紳士協定
他にも新規添付文書作成もしくは、改訂する際、併用禁忌・併用注意となる成分を取り扱っている、製造販売元に手紙で情報を提供することになっています。
製薬協とは?
正式名称:日本製薬工業協会
略称:製薬協・JPMA (Japan Pharmaceutical Manufacturers Association)
概要
研究開発志向型の製薬企業73社(2021年1月1日現在)が加盟する任意団体
製薬協では、製薬産業に共通する諸問題の解決や医薬品に対する理解を深めるための活動、国際的な連携など多面的な事業を展開しています。
また、特に政策策定と提言活動の強化、国際化への対応、広報体制の強化を通じて、製薬産業の健全な発展に取り組んでいます。
製薬業界内の色々な問題や国際化について検討して、円滑に進められるように整備しているんですね。
はい、仰るとおりです。例えば、「治験の安全性情報の医療機関伝達」の個別報告ラインリストも製薬協が作成してくれました。
主要項目が個別報告ラインリストに書かれているので(副作用名、転帰、重篤度など)、そこから気なった副作用情報を症例報告書やCIOMSなどで確認できるので、便利です。
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