【小学生でも分かる】添付文書について解説【製薬企業にて添付文書作成経験者】

仕事

こんにちは、プログレです。

本日は、添付文書について小学生でも分かるように説明します。

この記事では難解な添付文書の要点やどう作られているか、製薬業界に10年以上働いて、今は管理職で働いている筆者が説明します。

添付文書とは

添付文書は効能・効果、用法・用量、使用上の注意など薬事法第52条で定められている、医療従事者向けに作成した、医薬品を正しく使用する上で大切な情報を記載した文書です。

薬事法より…
(添付文書等の記載事項)
第52条 医薬品は、これに添附する文書又はその容器若しくは被包に、次の各号に掲げる事項が記載されていなければならない。
ただし、厚生労働省令で別段の定めをしたときは、この限りでない。    一用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意二日本薬局方に収められている医薬品にあっては、日本薬局方においてこれに添附する文書又はその容器若しくは被包に
記載するように定められた事項三第42条第1項の規定によりその基準が定められた医薬品にあっては、その基準においてこれに添附する文書又は
その容器若しくは被包に記載するように定められた事項四前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項(医薬品等の基準)
第42条 厚生労働大臣は、保健衛生上特別の注意を要する医薬品につき、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その製法、
性状、品質、貯法等に関し、必要な基準を設けることができる。

何言っているのかよく分からないです。

そうですよね、当初の私にとってはかなり難解でした。

簡単に説明すると、決まりに沿って作成すると大きく2つあり、まずは

① 厚生労働省に設置されている審議会の一つである、医薬品第一部会の意見より、薬の形、含有成分、保管方法、品質について基準を作る
② 薬の容器、その容器を入れる箱、それとは別に用意した紙の添付文書に必要な事を書く

添付文書に書かれている項目は?

1. 警告
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
3. 組成・性状
3.1 組成
3.2 製剤の性状
4. 効能又は効果
5. 効能又は効果に関連する注意
6. 用法及び用量
7. 用法及び用量に関連する注意
8. 重要な基本的注意
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
9.7 小児等
9.8 高齢者
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.2 その他の副作用
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
13. 過量投与
14. 適用上の注意
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
15.2 非臨床試験に基づく情報
16. 薬物動態
16.1 血中濃度
16.2 吸収
16.3 分布
16.4 代謝
16.5 排泄
16.6 特定の背景を有する患者
16.7 薬物相互作用
16.8 その他
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.2 製造販売後調査等
17.3 その他
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
19. 有効成分に関する理化学的知見
20. 取扱い上の注意
21. 承認条件
22. 包装
23. 主要文献
24. 文献請求先及び問い合わせ先
25. 保険給付上の注意
26. 製造販売業者等

情報量多すぎる。。。
添付文書は医療従事者向けだけど、患者さんが読むなら、どの辺りを読めば良いの?

この文書を作成するのに、製薬会社も独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)も外国の治験や日本の治験、市販後の調査で得られた大量の情報を凝縮して作成しております。

医療従事者向け資料なので、使用している用語が難解ですが、1、2、8、11は読んで損はないと思います。
9に関しては、腎機能障害患者様や妊産婦といった、特別な背景をお持ちの方には読む事をオススメする項目です。

患者様の安全性に特化した記載項目番号をピックアップしました。

1. 警告
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
8. 重要な基本的注意
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
11. 副作用

※ちなみに添付文書によっては、「10.1 併用禁忌(併用しないこと)」や「17.2 製造販売後調査等」がなかったりします。
情報がない場合は、欠番となっています。
なので、番号と項目がズレることがありません。

添付文書は何を元に作成されるの?

一番最初の発行においては、4種類の資料を使って添付文書を作ります。

• 開発時の臨床試験
• ⾮臨床試験
• 類薬の添付⽂書
• 当該成分の海外添付⽂書(海外既承認の場合)

海外添付文書は既承認でなくても、比較表を準備して、差分がある内容は下線を引いて提供します。

米国(承認) 欧州(未承認) 日本
1. 警告
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
3. 組成・性状

 

添付文書以外に薬の情報を知る手段はあるの?

参照/引用資料URL

医療用医薬品の添付文書等の記載要領について

あとがき

いかがでしたでしょうか?
少しでも添付文書に対して皆様のお役に立てればと思い記事を作成しました。
これからも皆様の健康に役立つ情報を提供していきたいと思います。
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