こんにちは、プログレです。
本日は医療用医薬品の承認の流れについて説明いたします。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と製薬企業が、本気で努力をして医療用医薬品の承認に貢献しています。
双方1日も早く必要としている患者様へ届けようと土日返上で頑張っています。
製薬業界で10年以上働く私の経験談も入れて記事を書きました。
PMDA のサイトに色々な情報が載っています。ただ慣れないとちょっと見にくいので、ポイントを集約してこの記事にまとめます。
承認申請のプロセス
何するの?
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/0001.html
PMDA HPより引用
事前面談
事前面談承認申請をスムーズに行うため、事前に面談する機会が設けられています。
必ず提示するもの
✅ 優先審査が必要か
✅ 申請データの試験成績が不足している場合の共有
その他ルール
✅ 1件につき20分5名以内
✅ 治験を行っているので、かなりのデータがありますがそのデータの評価などPMDAは行わない
事前面談の実施要綱🔽
新医薬品、後発医薬品、一般用医薬品、再生医療等製品及び医薬部外品の事前面談 に関する実施要綱
申請直後
pmda▶製薬会社
何を教えてくれるの?
初回面談の日程事前照会事項の送付予定日の確認(◀️超大事!!!ここから本番が始まる)
その時点での審査の順位(他社の優先承認等を考慮して順位が決定)
初回面談
pmda▶製薬会社
何を教えてくれるの?
初回面談後照会事項の送付予定日
品目の販売名変更が必要な場合新たな試験の実施などを行う大幅な変更を要する場合
平行して、GMP 調査も行われます
▶︎海外にある場合は、PMDAの調査員と製薬会社の人が海外に行きます✈️
照会事項対応
初回面談後照会事項が送られてきます。
ここしっかりタイミングを確認することが大事です。
ここで一番多くの照会事項が送られます。
私が経験したものでは、
・初回面談のその日に照会事項が送られてきたことがありました。
・照会に対する回答期限は10日後。
・設問全て合わせると400ほどありました。
・照会事項回答まで、土日は無いものとなります。
今でも初回照会事項と聞くと恐ろしくてぞわぞわします(笑)
照会事項とはQ&Aのことで、質問がくるので、製薬会社がそれに答えるものです。
適合性書面調査 、GCP 調査
新医薬品の製造販売承認申請書に添付された非臨床試験及び臨床試験の成績等の資料の根拠となる試験が、 GLP GCP 適切な試験計画書に従い、倫理的科学的に適切に実施されているか調査する。
または、申請資料の信頼性の基準に従って適切かつ正確に承認申請資料が作成されているかどうか、を承認申請資料の根拠となった資料に基づいて書面により調査する。
当然のことですが、不正などが行われていないのかしっかり確認されます。
審査報告書作成
ここまでの情報に基づき 、専門協議や部会用にPMDA が審査報告書を作成します。
審査報告書1のレビュー
製薬企業にて情報に齟齬がないか確認がなされます。
私の経験として、
金曜日の夕方に連絡が来て、月曜提出となったので、金曜夜遅くまで、また土曜も働きました。
専門協議
PMDAと外部専門家と協議が行われます🤝
製薬会社は入りません❎
その日中に照会事項が再度送られます。
なお外野の製薬企業は専門協議の日程を知りません。
照会事項
基本的に審査報告書の記載に基づいた照会事項が送られます。
私の経験では、
10日間ほど毎日のように、紹介事項のやり取りがありました。
部会資料提供部会資料用に、 CTDの提供
CTDは
①承認申請時
②専門協議前
③部会前
に提供します。
審査報告書結果
適合性書面調査 GCP調査結果を踏まえた審査報告書2及び審査報告書1と2を総括した結果が送られてきます。
審査報告書マスキング
以下の情報をマスキングします。
・特定の個人を識別できる情報
・公表することにより、個人の権利利益を害するおそれのある個人に関する情報
・公表することにより法人の権利競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのある法人に関する情報
マスキングされた審査報告書は誰でも閲覧できます
画像をクリックすれば、ページに飛べます。「検索結果一覧で表示する文書を選ぶ」で審査報告書に✅がついてればOK
製造販売後に関する照会事項製造販売後に関する照会は承認取得するまで続きます。
例えば、製造販売後の調査票、治験時のリスクを踏まえた医療機関や患者向け資材
承認取得🎉
1年間に承認される医薬品
追加承認含め医薬品の数、約130
申請における、ドラッグラグ
0.2ヶ月
あとがき
PMDAも製薬企業も本当に努力しています。
初回面談からはフルマラソンを毎日走っているかのように働いています。
過去に様々な薬害事件はありましたが、今は出来る限りのあらゆる対策を講じて、より安全安心な薬を届けています。
ブログでは薬害事件からどのような対策を講じているかも踏まえ、分かり易く情報をお届けしたいと思います。
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