【新薬販売後の対策】市販直後調査【小学生でも分かる】

健康

こんにちはプログレです。
本日は新医薬品が発売された後6ヶ月間行う、市販直後調査というものについて説明します。

初めて聞く言葉なのですが、分かりやすく説明してください

もちろんです。少し噛み砕いて説明します。
またその背景となる情報源もリンクを貼っておくのでよかったら合わせてみてください。

市販直後調査とは

新医薬品が販売開始すると治験の時と比べて、その患者の数が一気に増加します。
また患者さんの状況をも一気に多様化して、治験の段階では判明していなかった重篤な副作用が発現することがあります。このように新医薬品の特性に応じて販売開始から6ヶ月間特に注意深く使用を促すことを目的とした安全対策になります。


※クリックすると、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のページに移動します

新医薬品とは

すでに販売されている薬と以下のいずれか一つが明らかに違うもの
有効成分
分量
用法用量(1日2回▶1回に変わった)
効能効果(効き目が元々頭痛だけ▶腰痛も加わった)

具体的に何をするの?

✅ 市販直後調査実施計画書を作成する

✅ 薬が病院に納入されて2週間に1回病院へ説明する

✅ 開始から2か月間は2週間に1回それ以降は1ヶ月に一回説明をする

✅ 市販直後調査実施報告書を作成し提出する。ここで訪問実績などを添付する

✅市販直後調査中のラベルが貼られます
例) 製品情報概要(添付文書を補完するもの)や、使用上の注意解説(添付文書に記載されているものを項目ごとに背景と併せて解説したもの)

https://www.pmda.go.jp/files/000145855.pdf

市販直後調査の実施、強化の背景となったもの

ソリブジン事件

薬の飲み合わせによって骨髄障害を引き起こし発売後1年間15人の死者を出しました。
元々ソリブジンは、抗ウイルス薬で帯状疱疹ヘルペス水痘に効果があるとされていました。
なお、日本での治験者数3名でした。

ただそのソリブジンの化学構造が抗癌薬の5-フルオロウラシル(5-FU)とよく似たものでした。
がん患者は抗がん剤の治療を受けると副作用で免疫力が低下します。
なぜならば抗がん薬は増殖力の強い細胞に対して特異的に作用します。
癌細胞のみならず体内の正常細胞の中でもとりわけ増殖力の強い細胞、毛髪、消化管の上皮細胞、骨髄細胞にも作用します。
骨髄細胞は血管細胞(赤血球、白血球、血小板など)を作ってくれます。
骨髄細胞が死んでしまうと、白血球が減ります。
白血球が減ると、免疫力が弱くなってしまいます。
通常であれば感染しないような弱毒ウイルスに感染しやすくなります。

その一例が帯状疱疹ウイルスです。

一般の方へ  |  日本臨床薬理学会

イレッサ事件

肺がん治療薬イレッサの副作用によって、多くの患者が間質性肺炎を発症し死亡した事件です。
2002年7月申請から、5ヶ月という異例のスピードで世界で初めて日本で承認されました。(当時は1〜2年が一般的)
承認前から副作用が少ないと言われてました。
しかし2011年9月までに公式発表だけでも、834人が副作用である間質性肺炎で死亡しました。
承認から半年で180人、1年でトータル294人が亡くなっています。

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間質性肺炎とは

肺が硬くなることで咳や息苦しさが生じる病気です。
肺は肺胞という小さな風船の集まりでできており、肺胞の周りを支えて包み込んでいる外枠に該当する部分が間質と呼ばれています。
この間質で炎症や損傷が起こり繰り返すことで、肺胞の壁が厚く硬くなってしまいます。

【はじめての方へ】間質性肺炎|肺が硬くなり咳や息苦しさが出る病気|LIFULL介護
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