こんにちは、プログレです。
本日は新薬の市販後に避けては通れない、医薬品リスク管理計画(RMP)について説明します。
この記事を読むことによってRMPを小学生でも簡単に理解することができます。
私自身、製薬会社に属していて、添付文書や RMP作成に携わってきました。
添付文書はまだしも、 RMP って本当に分かりづらいとよく聞きます。
私自身も分かりにくいと思っていました 笑
もう少しデザイン考えられるんじゃないかなと思ったのですが・・・
それはさておき、こちらの記事では RMPの理解を深めるために、分かりやすく、噛み砕いた言葉で説明していきます。
RMP とは何か?
RMP(Risk Management Plan)の略で、医薬品リスク管理計画書と言います。
薬とは非臨床試験(試験管内もしくは動物実験で有効性や毒性をみる)、臨床試験、臨床試験(健康な方や患者への投与)を経て、そのデータを製薬会社が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から審査された上で市販されます。
審査される段階で非臨床試験臨床試験審査中の書面による確認、また今後「市販後にどのような対策をとるか」というのを一つの文章にまとめたものがRMP に値します。
※PMDAとは
厚生労働省所管の独立行政法人
どんなことが書かれているの?
まず一番注目すべきところは、安全性検討事項です。
✅ 重要な特定されたリスク
✅ 重要な潜在的リスク
✅ 重要な不足情報
重要な特定されたリスク
臨床試験までに収集したデータを元に、特定されたリスクは書かれています。
臨床試験までに得られるデータってかなり限られているのですが、その段階で今知り得ている副作用情報がここに現れます。
基本的には添付文書の重大な副作用=重要な特定されたリスクとなることがほとんどです。
重要な潜在的リスク
臨床試験で得られた情報に限りがあり、十分な確認がまだされていない(データが少ない)副作用です。
重要な特定されたリスクと比べると臨床試験で確認された副作用件数が少ないもの。
だけど、例えば患者様のQOL(Quolity Of Life)生活の質に影響を及ぼすようなリスクがここに書かれたりします。
重要な不足情報
高齢者や小児など情報が不足しているもの
RMP 表紙の見方
RMP の表紙を見ると
✅ 重要な特定されたリスク
✅ 重要な潜在的リスク
✅ 重要な不足情報
にあたる副作用を一目で見ることができます。
✅ 医薬品安全性監視計画の概要
また小難しい言葉を使っているのですか「情報収集方法」です。
✅ リスク最小化計画の概要
また小難しい言葉をここでも使っているのですが、市販後に臨床試験と比べると多くの患者様に投与されるので、いかにわかりやすく「情報を提供するか」がここで書かれています。
RMP の探し方
PMDAのサイトで簡単に調べることができます。
①RMP PMDA でググる
トップに出てきます。
②クリックすると、このページに飛びます。
薬のリスクを知る上で導入となるのが、患者向け資材です。
製薬会社がデザイン会社などと協力して作られるので、視覚的にもかなり分かりやすく作成されています。
ただし RMP の✅ 重要な特定されたリスク、✅ 重要な潜在リスクが全て網羅されていないことも多々あります。
なんで? なんで全部載せてくれないの?
なぜかと言うと、悪い意味でのプラセボ効果を回避するためです。
良い意味のプラセボ効果▶効き目がある薬を服用していると本人が思い込むことで病気が良くなること
悪い意味でのプラセボ効果▶例:事前に多くの副作用をする知ることで、不安になりすぎたり、はたまた副作用が発現したように感じてしまいます。
なのでそのバランスをPMDAと一緒になって考慮した上で、患者向け資材を作成しています。
引用資料
https://www.pmda.go.jp/files/000229902.pdf
あとがき
私が初めて RMP を作成する時、いろんな情報に触れてもなかなかイメージがつかめなくて苦戦しました。
病院でお仕事されている方からも、分かりにくいとフィードバックを頂いたりします。
このテンプレートを変えることはどうにもならないことですが、少しでもこちらの記事で RMP に対するハードルが下がると嬉しいです。
何でも見やすい情報って、本当に大切だと思いました。
プレゼン資料でもメールでも見やすく書かれているだけで、忙しい相手も見てくれます。
綺麗にまとまった資料の方が見る気になりますよね。
この RMP を作ることで「見やすい資料」「見やすい情報」というのをかなり意識するようになりました。
ここはまだまだ私にとっては長い道のりです。
なんせ私のプレゼン資料は、本当にセンスがないんですよね 笑
ただビジネス用のプレゼン資料は「日頃の意識」で劇的に変化します。
日頃の意識とは、「自分の頭の中で図で考えてみる」それだけです。
もしプレゼン資料に自信がない方は意識してみてください。
私はこのおかげで、メールの往復が減って、相手からのレスポンスがとても速くなりました。
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