【まとめ】製造販売後調査【分かりやすい】

こんにちは、プログレです。

こちらの記事では、「製造販売後調査」についてまとめました。

製薬業界で10年以上働いており、今では製薬会社の管理職についている筆者が分かりやすく説明します。

製造販売後調査(PMS)とは

PMS:Post Marketing Surveillanceの略
厚生労働省の承認がおりて発売された医薬品が、日常の診療において使用されたときの有効性や安全性を確認する市販後調査のこと。
治験では得られなかった医薬品の適正な使用についての情報、副作用情報などを集める業務をいいます。

また、GPSP省令(製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令)を遵守する必要があります。

なお、医薬品によっては承認条件として求められることがあります。
例えば、全例調査です。

Q1
どのような医薬品に全例調査の承認条件を付与するのか。

A1
承認条件による全例調査は、一定症例数にかかるデータが集積されるまで製造販売後にすべての使用患者を対象とした使用成績調査により使用患者の背景情報並びに安全性や有効性に関する情報を可能な限り早期に偏りなく収集し、承認内容の再確認や適正使用に必要な情報収集を早期に行うことが必要と判断された品目などが該当する。
例えば、国内治験症例が少ない/ない場合、重篤な副作用等の発現が懸念される医薬品の場合、承認条件で個々に全例調査の実施を求めることがある。実施の必要性については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という)で検討の上、薬事・食品衛生審議会の審議を経て、厚生労働省において決定される。

医療用医薬品の全例調査方式による使用成績調査に関するQ&Aについて より引用
https://www.pmda.go.jp/files/000231052.pdf

全例調査

市販後に患者様へ医薬品を処方する場合、全て調査症例として細かい情報(患者様の治療歴、病歴、臨床検査情報など)を確認することとなっております。副作用は発現しなくても患者様の情報を登録し、詳細な情報を製薬企業がモニターするようにします。

なぜ全例調査するのか

それは、例えば承認前、治験中に多くの日本の患者様への治療が出来なかった。
オーファンドラッグが当てはまります。

オーファンドラッグ(Orphan Drug)

希少疾病用医薬品のことで、対象患者数が(日本では)5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、厚生労働大臣が指定した医薬品

*画像をクリックすると、引用元に移動します
引用元:
CMIC オーファンパシフィック 希少疾病治療薬を待ち望む患者さんに オーファンドラッグとは
https://www.orphanpacific.com/patient/contents/column_orphandrug/

主な調査の種類

使用成績調査

製造販売後調査等のうち、日常の診療で医薬品を使用する患者の条件を定めることなく、副作用による疾病等の種類別の発現状況並びに品質、有効性および安全性に関する情報の検出又は確認を行う調査

特定使用成績調査

使用成績調査のうち、小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害又は肝機能障害を有する患者、長期に使用する患者等、使用条件を定めた患者における品質、安全性および有効性等に関する情報の検出又は確認を行う調査。

*医薬品承認の段階で、特定使用成績調査が求められないこともあります。
こういった情報はRMP(リスク管理計画書)で誰でも確認することができます。

*画像をクリックすると、引用元に移動します

製造販売後臨床試験

製造販売後調査等のうち、治験若しくは使用成績調査の成績に関する検討を行った結果得られた推定等を検証し、日常の診療では得られない有効性や安全性に関する情報を収集するため承認に係る用法、用量、効能および効果に従い行う試験

引用資料

https://www.pmda.go.jp/files/000231052.pdf

株式会社アールピーエム~新薬開発で柔軟なパートナーシップをはかるCRO~
オーファンドラッグとは | オーファンパシフィック OrphanPacific, Inc.
希少疾患に関連するコラム第2回。オーファンドラッグ(希少疾病治療薬)についてやさしく説明しています。

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