こんにちはプログレです。
皆様、市販薬品の定期安全性最新報告ってご存知でしょうか?
製薬業界で10年以上働いており、今では製薬会社の管理職についている筆者が分かりやすく説明します。
探せど探せど小難しい規制しか見つからないので、こちらにまとめてみました。
ICH E2C(R2)ガイドラインに日本・アメリカ・EUの共通基準としてまとまっています。
記事を作成する上で使用した根拠資料
https://www.rad-ar.or.jp/material/pdf/K_23.pdf
https://www.pmda.go.jp/files/000156873.pdf
PBRERってなに?
定期的ベネフィットリスク評価報告
Periodic Benefit Risk Evaluation Reportの頭文字からなっています。ピーバーと読みます。
簡単に言うと、ある一定期間に集まった情報を累積して薬がどんなメリット・デメリットがあるか評価する報告書です。
PBRER の主たる目的は、製品の全体的なベネフィット・リスクプロファイル評価を可能にするため、医薬品のリスク及び承認適応に対するベネフィットに関する新しい情報又は明らかになりつつある情報の包括的、簡潔かつ重要な分析を示すことにある。PBRER には、以下の累積情報に基づき、調査期間に MAH (医薬品市販承認取得者)が入手した医薬品に関する新規の情報の評価が含められていなければならない。① 医薬品のベネフィット・リスクプロファイルに影響を及ぼす可能性がある関連する新たな安全性情報の要約
② 調査期間において入手した重要な新しい有効性/有用性の情報の要約
③ 調査期間において MAH が入手した情報が、医薬品のベネフィット・リスクプロファイルに関する過去の知見に一致しているか否かの検討
④ 重要な新しい安全性情報が明らかになりつつある場合には、承認適応に対する総合的なベネフィット・リスク評価の実施適切な場合には、PBRER はベネフィット・リスクプロファイルの最適化を目的とした措置の提案を含める。
もう難解。。。頭が痛くなる。。。
記載内容の詳細ここからは①〜④を噛み砕いて説明します。
① 医薬品のベネフィット・リスクプロファイルに影響を及ぼす可能性がある関連する新たな 安全性情報の要約
これは何を言ってるかと言うと、
② 調査期間において入手した重要な新しい有効性/有用性の情報の要約
この報告書に相手決まった期間情報収集をするとなっています。
③ 調査期間において MAH(医薬品承認取得者) が入手した情報が、医薬品のベネフィット・リスクプロファイル に関する過去の知見に一致しているか否かの検討
医薬品承認取得者が過去のメリットデメリット今のでメリットデメリットを比較して比較して結果をまとめる
*MAH(marketing approval holder)
④ 重要な新しい安全性情報が明らかになりつつある場合には、承認適応に対する総合的なベネフィット・リスク評価の実施
ポイントとなる記載
PBRERには記載する項目が既に確定されています。
その中で大事なポイントとなるのは、
・シグナルの概要:新規、評価継続中又は評価確定
・シグナル及びリスクの評価
・ベネフィットの評価
・承認適応に対する包括的なベネフィットリスク分析
シグナルの概要:新規、評価継続中又は評価確定とは?
✅ シグナル検出
シグナルって何?
シグナルとはリスクになるかもって疑われるものです。例)ここに小さいニキビがあった!
✅ 評価
例)このニキビちょっと痛いし結構腫れてる
✅ 確定
例)やっぱニキビでかくなった!
▶偽のシグナル
例)ニキビが意外とすぐ治った
▶特定されたリスクもしくは潜在的リスク
例)やっぱニキビ重症化した
承認適応に対する包括的なベネフィットリスク分析って何書くの?
例えば、
✅ 承認適用における薬の必要性を説明します
✅ 他の治療選択肢について説明▶背景がわかる
▶︎評価上影響するベネフィット・リスク特定
▶︎臨床使用実態(病気の英室、患者さんの性質)
▶︎ベネフィットにおける薬の大切さ
▶︎証拠の強さ、弱さ、不確からしさの評価への影響
基本的に何を記載するにしても、根拠を提示する必要があります。
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